川合です。自分がもう1人いたらなーって思わされることが度々あって、藤子不二雄のパーマンに出てくるコピーロボットが開発されるのをずっと待っているんですが、今年のCESにもそういうのは出ていなかった模様です。

何を寝ぼけてるんだと言われそうですが、精神のコピーについては各国で研究されているようで。

例えば下記リンク先は、ロシアの研究に関する何年か前の記事。
http://walyou.com/human-immortality-project/

記事にある、人格移植ってのがその辺り。

Avatar C or the 3rd step is to be able to create an artificial brain to which a human personality can be transferred.

データ化して移植できるなら、コピーも作れますよね。ただこれ記事中では全編「不死」って文脈で語られていますが、データ化しての移植は、最初のステップとして挙げられている脳移植と違って、不死ではないと思うんですよ。

例えば、目の前に新しい体が用意されていて、「じゃ、今からあなたをそっち側に移しますね」と言われたとして。精神をスキャンして新しい方にコピーし終えた時に「はい、移し終えましたので古い方をこれから破棄します」と言われて「あなた」は納得できるかという。新しく出来上がったのは、自分と全く同じ記憶を共有する「もうひとりの自分」であって「自分」ではないと思うんですよ。処分しますって言われたら「ちょっっっ、いやいやいや、待って、待って、待って!」って、きっとなる。(笑)

要は「自分」が何に属するものなのかって話。本当にpersonalityがtransferできるならいいんでしょうけど。その辺もひっくるめて、解決できる技術ができるのかなー。

藤子不二雄つながりで、ドラえもんのどこでもドア、あれってたぶん空間を歪めて、あっちとこっちを繋いでるものだと思うんですが、もしそうじゃなくて、スタートレックの転送装置みたいな感じで(スタトレの装置の仕組みは知りませんけど)、こっちの自分を分解し、あっちで再構成する仕組みだとしたら、転送前の自分と、転送先の自分は本当に同じ「自分」なのかと。さっきのコピーの話と一緒で、移動先にもうひとりの自分が新たに出来上がるだけで、移動元のオリジナルの自分は破棄されているのと同じじゃないかと。

悩ましい。

とりあえず「もうひとりの自分」を作ることが出来れば、仕事には役立ちそうだけれども。(笑)

仕事には役だっても、私生活ではこれまたトラブルの種。中身は移植時点で全く同じ「もうひとりの自分」ですが、コピー側には恋人やら家族やらの記憶はあっても、その対象はもちろん元の1人分しか存在しない、と。嫁や娘を取り合う自分と自分、なんてことに。「おまえはコピーだから、この嫁は俺のだから」って言われて、コピー先の自分は納得できるかという。きっと、コピーにオリジナルが殺されるなんていうSF事件が現実になる……

悩ましい。

そもそもデータ化してコピーだ何だと出来るのなら、肉体としての実体ってどこまで必要なのか?って話も。電脳空間でほとんどのことが解決するので、その空間維持のための実体(機械の体でOK)が最低限あれば、もうそれで、あとはみんな「データ」でいいんじゃないの、と。もうそれ、生きてるのやらどうなのやら分からない状態ですけど。

悩ましい。

ま、結論としては、そんなこと考えてる暇があったら目の前の仕事をひとつでも片付けろよってことですね。はい。

……「攻殻機動隊」の士郎正宗なら解決できるのかなー。(仕事が手に付かない)